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三菱電機がチラーを製品レンジに追加
2017/12/05

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  ────────────────────  発行  株式会社ジアン (JARN Ltd.)
    eJarnClub通信:三菱電機がチラーを製品レンジに追加
  ─────────────────────  2017年12月5日
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛                                     http://www.ejarn.com
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◇掲載:P49、JARN  2017年11月特集号
 ▼原文(英字)はこちらから
http://www.ejarn.com/news.aspx?ID=48277

  2016年2月、三菱電機はデロンギからデルクリマを買収した。その後、2017年1月1日にメルコ・ハイドロニクス&ITクーリング(旧デルクリマ)の子会社であったクリマヴェネータとRCグループを併合し、「三菱電機ハイドロニクス&ITクーリングシステムズ(MEHITS)」として操業を開始した。

  JARNは、デルクリマ買収の約1年半後にMEHITS副社長の荒木義臣氏にインタビューし、新会社の最新動向について伺った。

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JARN (J):三菱電機がデルクリマを買収して約1年半が経ちました。その後、どのような変化がありましたか?

荒木義臣氏(A): デルクリマはクリマヴェネータとRCグループという独立した二つの会社の持株会社でした。三菱電機がその持ち株会社を買収したため、チラーとデータセンター用空調システムを製造しているクリマヴェネータとRCグループを実質的に買収した形になりました。

  買収後の第1段階として、チラーとデータセンター用空調システムの欧州メーカー2社が独立したまま操業しているのを中止し、1つの会社に統合しました。

  その結果として、今年の1月にメルコ・ハイドロニクス&ITクーリング傘下のクリマヴェネータとRCグループを併合し、三菱電機ハイドロニクス&ITクーリングシステムズ (MEHITS) と改称しました。

  現在は、その新会社がポスト・マージャー・インテグレーション(PMI)活動を引き継いでいます。

J:企業文化の異なる会社を統合し、シナジーを創出するのは時間が掛かると思います。

A:三菱電機、クリマヴェネータ、RCグループの3社には、確かに全く固有の企業文化があります。それらの企業文化を一つにしてシナジーを創出するため、PMI活動には長時間掛けて取り組む計画です。そのため、新たなシナジーが生まれるのは来年度からになると考えています。

  MEHITSにおけるPMI活動の例として、日本の文化や歴史、日本語を教える日本人講師を招いています。また、製品開発面でも、日本の開発メンバーをイタリアに招くと共に、イタリアの開発メンバーを三菱電機の会議に参加させたり工場見学に行かせたりして、相互理解を深めています。イタリアのメンバーによって、日本のメンバーがアイデアを触発されています。例えば、三菱電機の設計部門はイタリア側から色んなことを学んでおり、両者に文化的なシナジーが出ていると感じています。

  実際の販売面でも、既にシナジーが出始めた例があります。例えば、三菱電機がスコットランドで製造しているMr. SLIMパッケージエアコン(PAC)の室外機をMEHITSが製造している直膨(DX)式エアハンドリングユニット(AHU)と組み合わせて販売することを考えています。イタリアでは、既にこの組み合わせシステムの他に、ルーフトップ、ビル用マルチ(VRF)、チラーも組み合わせて、非常に大規模な物流センターの物件を受注しました。この物件を受注するために、三菱電機とMEHITSの営業部門と開発部門が協力して取り組みました。

J:販売や物流でシナジーを創出するのは容易ではないと思います。

A:両社が各々独立した販売ルートを持っている場合は、シナジーを創出することは困難です。よって、買収後の第2段階として、三菱電機とMEHITSは、欧州にある各々の販売会社や販売ルートを目下統合している最中です。今年の10月末頃には、フランスとドイツの販売会社を統合する法的な手続きが完了する見込みです。その他の国の販売会社も同様に統合に向けて準備中です。また、販売子会社以外に代理店の問題もあります。代理店とは個別に契約を結んでおり、取引関係も長期にわたっていますので、ステークホルダーに対して敬意を払って国毎に慎重に対応しています。

J:欧州には多くの国がありますが、今後どの市場にリソースを集中させようとしていますか?

A:我が社の将来計画では、特にどの国ということではなく、欧州全域を対象としています。三菱電機ヨーロッパは主要国に支店があり、その一環として欧州全域でサポートできます。これらの支店以外に代理店も含めて全地域にわたって販売を強化しようとしています。

  ただし、イギリス、ドイツ、フランス、イタリアといった主要市場を先ず優先することになります。

J:販売面でのシナジー以外に、技術開発面や製造面でのシナジーはいかがですか?

A:技術開発面でのシナジーを創出するために、業務用エアコンを製造している和歌山製作所の技術者とイタリアの技術者が大分以前から会議や交流を実行させています。欧州連合(EU) のエコデザイン(ErP)指令が2018年と2021年に大幅に改定されるので、MEHITSもその新基準に対応したモデルチェンジの準備をする必要があるため、製品開発を協力して進めています。

  2018年向け開発の目途は立っていますから、次段階の開発をどうするのか、三菱電機の技術を活用した新製品を出すことも含めて、目下鋭意取り組んでいます。

  製造面では、生産性の改善を進めています。MEHITSはかなり以前から独自のリーン生産方式を推進しており、日本式生産システムも理解しています。三菱電機は、生産効率を引き上げるための活動において詳細なレベルでの協力を続けています。

J: 今後のブランド戦略はどのようにお考えですか?

A:クリマヴェネータとRCは、欧州では長い歴史を持つ有力ブランドですから、両社のブランドを維持することに決定し、既に公表しています。クリマヴェネータ・ブランドでは空調とプロセス・クーリング向け製品を提供し、一方、RCブランドではデータセンターなどのITクーリング向製品を提供します。

J: MEHITSのチラーを三菱電機グループとして世界中に提供する予定ですか?

A:中国や東南アジアで実施されているような巨大インフラ事業をVRFだけで対応するのは限界があり、アプライド商品が必要です。三菱電機にはアプライド商品が欠けていましたが、MEHITSによって補うことができました。今後、三菱電機はこの製品レンジを活用し欧州だけでなく、アジアでの販売も拡大していきます。東南アジアから非常に数多くの引き合いがあり、インドでは三菱電機のプロジェクト提案の一環として日系企業の工場建屋にMEHITSのチラーを納入しました。

  MEHITSはターボ冷凍機などの大型チラー物件に強いのですが、残念ながらイタリア以外の市場では小型チラーの販売ルートが不十分です。三菱電機はプロジェクトベースでVRFなどの販売ルート網を構築して来ましたから、その販売網を通して小中型容量のチラーの引き合い件数が増えると期待しています。既に3社の販売ルートを統合したフランスとドイツでは、三菱電機の販売ルートでチラー販売が開始されています。

  三菱電機で設計事務所への提案を担当しているスペックイン営業部隊でも、チラーを追加した品揃えに対する期待感が非常に大きいです。また、MEHITSのデータセンター向け空調事業は専門的な市場なので、この事業を強化し、更にシェアアップを目指したいと思います。

J::欧州においてMEHITSのチラーと三菱電機のVRFが互いに競合すると見ていますか?

A:販売ルートから見てもインストーラーから見ても、チラーとVRFを使用する市場は既にある程度の棲み分けが出来ています。今後、Fガス規則やErP指令による来るべき冷媒規制の影響で、冷媒を屋内で循環させるVRFを使用する代わりに、冷媒を屋外側に封じ込めるチラーに市場が移行していく可能性があります。そういう事態になった場合、チラーを提供できるということは三菱電機にとって大いに有利です。三菱電機の営業部隊がVRF専門で、一方、MEHITSの営業部隊だけがチラーを販売することは望んでいません。両社の営業部隊が互いに協力し、個々の顧客に対して総合的な提案をするという形を望んでいます。

  (終わり)

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